私は訪問診療を主に行っており、のぐち内科クリニックを拠点として主に中野区、練馬区、杉並区の方々を24時間体制で診療をしています。
訪問先の患者さんはご自分で病院に来ることが難しい方々。私は、採血や検尿、超音波など、在宅での医療で可能なことをしっかりと行い病気の診断に繋げていこうという気概を常に持っています。また、レントゲンや内視鏡など在宅では困難な検査が必要な時にはクリニックへ送迎し、診療を続けることができます。
ご高齢の方の中には夜中に具合が悪くなる方も少なくありません。しかし、救急車を呼び、診療することが必要なケースはあまり多くなく、在宅で診断や治療できる場合がほとんどです。
訪問診療を行うことは患者さんにとり、自宅で安心して治療を受けられるメリットが、医療機関にとっては医療の分散化を実現できるというメリットがあります。私はここに当クリニックが活動する意味があると考えています。
訪問診療と外来診療の違いは診察に使う設備だけでなく、患者さんとのスタンスが大きく違ってきます。訪問診療は患者さんの生活の場にこちらから入っていくからです。当然一人一人の生活は違います。ですから、より患者さんのご希望や生活に合った治療や診察方法を提供していくことが必要になるのです。
たとえば、肺炎という病気の治療を行う場合、患者さんの状態によっては点滴や服薬により自宅で治療を行うことも十分可能です。しかし、一人暮らしのお年寄りやご家族が同居されていない場合には、無理に自宅での治療をすすめるよりは、連携している地域の病院で治療を行う方がトラブルにも対応でき、患者さんも安心することができます。
何が何でも在宅で治療するのではなく、患者さんの状態、希望に添った一番スムーズな方法を選択することが大切なことなのです。
毎日の診療では10人程度の患者さんにお伺いしますが、お一人を診察する時間は20分~30分。外来での診察時間よりは多めの時間をとっており、ゆったりと診察を受けていただけると思います。
また、通院される方もいらっしゃるので、不便を感じることのないようにクリニックはどなたでも来院しやすいユニバーサルデザインという作りになっています。